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契約編:真の世界観 第2章

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世界観

契約編:真の世界観
第2章

創界神グランウォーカーウラノス
「オリンよ、我々は帰ってきたッ! 我ら原初の創界神が築き上げた世界を今こそ還してもらおう」
原初神群の首魁である「創界神グランウォーカーウラノス」の声明と共に「創界神グランウォーカーガイア」の軍勢がオリンの勢力圏内に迫って来ていた。その数は10万を超え未だに増え続けている。
オリンに迫る原初神群の群れにオリンのスピリットたちは動揺を隠せないでいた。しかし、オリンの全権を握る創界神グランウォーカーハデスは静観の構えを崩さない。
原初神群の先鋒はウラノスに次ぐナンバー2であるガイアであった。ガイアはオリンの大地を創造したと言われる創界神グランウォーカーであり、その力は計り知れない。
大地の力を宿した爬獣を主力としたガイアの軍勢は、「創界神グランウォーカーヘルメス」の世界「ヘルカディア」へと辿り着く。
創界神グランウォーカーガイア
「オリンの俗物どもよ、妾を敬い、崇め、奉るのだ」
創界神グランウォーカーヘルメス
「来たなガイア。オレの世界で勝手は許さん!」
「オリン十二神」と原初神群、創界神グランウォーカー同士の戦いが始まろうとしていた。
一方、オリンの中央では、ヘルメスを助けようとしない「創界神グランウォーカーハデス」にダンが抗議をしていた。
放浪者ダン
「ハデス、なぜ動かないんだ!」
創界神グランウォーカーハデス
「動く必要が無いからさ」
ダンはハデスに説明を求めるが、ハデスは話をはぐらかすばかりでその問いに応えようとはしなかった。業を煮やしたダンはハデスに頼らず、相棒たちを連れ自分たちだけでヘルカディアを目指すと言い放った。そんなダンに、「創界神グランウォーカーキニチ・アハウ」が声をかける。
創界神グランウォーカーキニチ・アハウ
「空間を飛び越える能力を持つスピリットが、ハデスの配下にいたはずだ。ちょっとそいつに話でも聞きに行こうぜ」
ダンとキニチ・アハウはヘルカディアへ行く方法を求め、「エーリエス」中を探し回ることになる。
その頃、ヘルカディアでは、ガイアの軍勢と、ヘルメスの英雄獣たちの戦闘が始まっていた。七大英雄獣の指揮の下、剣獣たちは地の利を活かし、爬獣の群れに襲い掛かるが、物量で勝る爬獣の群れを駆逐するまでには至らない。そのような戦いが幾日か続き、戦場は膠着していた。そんな時、ガイアとヘルメスの戦いに割って入る創界神グランウォーカーが出現する。
創界神グランウォーカーフラカン
「俺はフラカン! ウルリカの創界神グランウォーカーフラカンだ! ちょいと原初神群ってのを仏恥義理に来たんで、夜露死苦ゥ」
ウルリカから来たと言う新たな創界神グランウォーカーの出現に戦場は浮足立つ。ガイアの軍勢にダメージを与えたフラカンの力は、オリンにとってこの上ない援軍になりえるはずであった。しかし、
創界神グランウォーカーヘルメス
「貴様なぞ、呼んでねェよ、ここはオレの世界で、これはオリンの戦いだ。部外者を介入させるつもりはねェ、とっとと帰れッ!」
ヘルメスはウルリカの介入を拒否し、オリンだけの力でガイアと戦うと宣言する。それに納得しないフラカンとヘルメスの間に一触即発の空気が流れる。
と、そこへ、ダンが援軍を率いて現れる。
放浪者ダン
「ヘルメス、遅くなってすまない。数は少ないが助けに来たっ」
ダン率いるアポローンの星竜、ランポ、シャック、そして、少数ではあるがダンに賛同したオリンのスピリットたちだ。
ヘルメスと合流したダンの力は小さかったが、オリンからの援軍到着という報は、ヘルメスたちに力を与えた。
そして、ダンの到着からしばらくして、離れ離れになっていた相棒のスタークとフェニルも合流する。
バイナレイター・デュアルスターク
「ビリーブ! ダンなら、ヘルカディアに来ると思っていましたよ! ウィングラスPMCで強化されたワタシの力、お見せしましょう!」
バイナレイター・マジカルフェニル
「ダンなら絶対にヘルメスを助けに来ると思ってた! ここに来るまでに会得した新しい力、初披露するよ! マジカルチェーンジ♪」
フラカンの介入、ダンたちの加勢により、ヘルカディアの戦いの戦局は五分となっていた。
創界神グランウォーカーガイア
「次から次へと……ウジ虫の様に湧いてきおって!」
勢いづくヘルメス軍に対して、憤りを隠せないガイア。さらに、ここへ来て、ヘルメスとフラカンの間にも奇妙な連帯が生まれていた。
ヘルメスに助力を拒まれたフラカンであったが、ヘルメスと衝突しながらも、ガイアの軍勢を圧倒していく。また、自分勝手なフラカンの振る舞いに過去の自分を重ねるヘルメス。ヘルメスは次第に昔の自分に立ち返っていくのを感じていた。
創界神グランウォーカーヘルメス
「おいコラ、フラカン! オレの前を走るんじゃねェ!」
創界神グランウォーカーフラカン
「なんだ、あんた、普段はスカしてるが、ほんとはこっち側か? なら話は早ェ、一緒に走ろうぜッ!」
吹っ切れたヘルメスとフラカンの息の合った高速戦闘に手を焼くガイアは、かつてゼウスを倒したという伝説の魔獣「大幻羅魔獣テュポーデウス」を召喚した。
伝説のスピリットの出現を機と見たヘルメスはフラカンと示し合わせ、2点同時攻撃を試みる。
ガイアへと突撃するヘルメスに合わせて、フラカンは「爆速嵐機獣チチェン・ゼファー」を顕現させると、チチェン・ゼッファーをバイクに変形させ、それに跨った。
創界神グランウォーカーフラカン
「俺のとっておき、見せてやるぜェェェェェェェェッ!!」
フラカンはテュポーデウスに向かって突撃、見事、伝説の魔獣に一撃を与えることに成功する。2点同時攻撃により、大きなダメージを受けたガイアとテュポーデウスは、撤退を余儀なくされる。
原初神群の第二波はこうして、オリン側の勝利で幕を閉じた。
一方、この戦いを外から見る一人の男がいた。
放浪者ダン
「カイ……なぜお前がここに? まさか、原初神群の復活はお前の仕業か?」
契約者カイ
「フフ、だとしたら?」
創界神グランウォーカーキニチ・アハウ
「そういう意味あり気な笑い、やめた方がいいと思うぞ、カイ」
放浪者ダン
「キニチ・アハウ、カイを知ってるのか?」
創界神グランウォーカーキニチ・アハウ
「ああ、コイツは、オレたちウルリカの契約者さ」
放浪者ダン
「なら……今度は一緒に戦えるんじゃないのか?」
契約者カイ
「今更だろ? 私はこれでいい」
対立しているわけではないが、いまさら仲間でもないと自嘲するカイ。
神世界で再会する二人。カイの目的はダンと同じく契約調停機関の調査なのだろうか? オリンと原初神群との戦いは一層激しさを増していくが、ハデスは未だ動きを見せようとしない。神世界の戦いは、ダンたちをどこへ誘うのだろう。
つづく
契約編:真 プロローグ