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バトスピの世界観

神煌臨編 第3章の世界観

オリンの最高神、その名はゼウス

『神世界』の主導権をかけた戦いが続く「グラン・ロロ」に、激震が走った。また、新たな世界が接続されたために起こった衝撃だったのだが、明らかにこれまでとは違う規模のものだった。

接続された世界は「オリュンポリス」。
ついに、「オリン」の最高神、『創界神グランウォーカーゼウス』が到着したのだ。
「オリン」の創界神グランウォーカーの中で、最も権威あるゼウスの影響力は、この世界の創造主であるはずのロロをすら圧倒するものだった。「グラン・ロロ」の風景が、たちまちに、澄み渡る青い空と白亜の建築物が立ち並ぶオリン調のものへと塗り替えられていく。
創界神グランウォーカーゼウス
「よくぞ耐え抜いたグラン・ロロのロロよ!さぁ、我が化神、雷神獣皇サンダー・Z・レオン!この地より、異邦の勢力を完全に駆逐するのだ!」
ゼウスの号令のもと、「オリン」と「ウル」の連合軍は大攻勢を開始する。
「エジット」側は、強力なアルティメットを擁しているとはいえ、セトとイシスの2名のみ。個の力では上回るものの、数によって押し込まれていく。
圧倒的な優勢。
しかし、ロロはなぜか、一抹の不安を覚えていた。
創界神グランウォーカーロロ
「ゼウスの救援によって戦況はこちらに傾いたが……なんだろうこの不安は」
……「エジット」の戦い方は、勝とうとするでもなく、撤退する気でもなさそうに見える。あの戦術はどこかで見たことがある。そう、まるでさっきまで自分たちがやろうとしていたことのような……。

ロロの漠然とした不安をよそに、戦局はオリン・ウル優勢のまま終わろうとしていた。
ゼウス

アテナの知略と、それを超える戦略と

ロロと同様の不安を抱える創界神グランウォーカーがもう1人いた。 『創界神グランウォーカーゼウス』に同行し、「グラン・ロロ」を訪れていた『創界神グランウォーカーアテナ』だ。
創界神グランウォーカーアテナ
「我が父ゼウス、今はまだ数で圧倒しているに過ぎません。事態が好転している時こそ、慎重に行動しなければ、足元を掬われます」
創界神グランウォーカーゼウス
「うーむ、アテナよ、おまえの進言、心にとめておこう。しかし、戦には流れというものがある。今こそ、その流れに乗るべきであると我は見る!」
彼女は慎重策を進言するが、このままの勢いで押し切りたいゼウスに退けられてしまう。そこで、アテナはゼウスには内密に、用意していたプランBを実行に移すことにしたのである。 兼ねてからウルに注目していた彼女は、「ウル」に『逆転大陸』なる別世界があることを調べ上げていた。アレックスに「逆転大陸」の創界神グランウォーカーを見つけ出し、味方に引き入れるようにと伝えると、自らの化神を貸し与え、送り出したのである。
創界神グランウォーカーアテナ
「アレックス、このような任務を押し付けてしまって非常に心苦しいのですが……。せめて私の化神、鋼鉄騎神アテナイアーをお役立てください」
創界神グランウォーカーアレックス
「へぇ、司令官より格好良いかも……っと、気にしないでアテナ。逆転大陸に行けるなんて、僕、ちょっとワクワクしてるんだ」
こうして、重要な任務を請け負ったアレックスは、意気揚々と「逆転大陸」に向かったのだった。
プランBが走り出したことで、若干の安堵を得たアテナ。
しかし、事態は彼女が考えていた以上にひっ迫していたのだ。

再び激震が「グラン・ロロ」を襲う。
それは、「オリュンポリス」接続時をはるかに超えるものだった。
「エジット」側は狙っていた。 今、ここにはロロをはじめ、ゼウス、ヘルメス、アテナ、セト、イシスの6名もの創界神グランウォーカーが揃い、その数だけ世界が連なっている。 そこにもう1つ世界が接続されたのだ。しかもそれは、「エジット」の最高神『創界神グランウォーカーラー』の世界「ヘリオン」であった。
創界神グランウォーカーラー
「抵抗ハ無意味ダワガ化神太陽神獣セクメトゥームハ世界ノスベテヲ破壊シ尽クス大人シクエジットノ軍門ニ下ルノダ」
ゼウスに匹敵する力を持つラーの世界の接続によって、「グラン・ロロ」は時空が歪むほどの巨大さとなってしまった。
ラーは巧みに計算し、「オリュンポリス」が世界の中央になるように、自らの世界を「エジット」勢力の反対側に接続したのだ。 その結果、接続に伴う強烈な時空震が、「オリュンポリス」とゼウスを直撃したというわけだ。

最高神ラーの登場。
これによりもたらされる事態は、戦力の均衡のはずであった。
しかし、ラーの巧みな戦略により、ゼウスが大きな痛手を受けたことで、「エジット」側の再逆転が起ころうとしていた。
アテナ

敗北と再起、そして最終決戦へ

創界神グランウォーカーラー』が引き起こした時空震による『創界神グランウォーカーゼウス』の負傷は、想像以上に深いものだった。
ゼウスの消滅をも視野に入れなくてはならない事態は、「オリン」側の混乱を呼んだ。
そこを見逃すラーではない。狡猾な戦略と大胆な戦術を得意とするラーは、ただちに「オリン」の勢力を削ぎ落しにかかる。
最高神を欠くという混乱の中、陣営の崩壊を防いだのは、『創界神グランウォーカーアテナ』の存在だった。

アテナにより下された命令は2つ。1つ、ヘルメスは直ちにゼウスの妃であるヘラの元へ伝令に駆け付けること。2つ、「グラン・ロロ」を放棄し、「オリン」の3つの世界すべてを戦場から切り離すこと、であった。
ロロには苦い決断だったが、受け入れる他なく、ゼウス対ラーの最高神決戦は、半ば不戦敗の形で、「オリン」側の敗北となったのだった。

しかし、戦いは決着したわけではない。
「オリン」随一の速度を誇るヘルメスは、命令を受けてからすぐに『創界神グランウォーカーヘラ』のもとへ到着し、事態を告げた。そして、戦いを運命づける決断は、ヘラによってもたらされた。
彼女は、自分の世界を放棄し、最小限の戦力と共に、ヘルメスの世界へ移住したのだ。
自らの世界を放棄したのである。
創界神グランウォーカーヘラ
「ほんなら、ウチの世界は邪魔ゆうことやね。あのアホ亭主見捨てるんも寝覚め悪いよってに、ウチらだけでちゃっちゃと行っとこか」
世界とは創界神グランウォーカーの力の礎である。それを放棄したことは、彼女の力の弱体化を意味する。
自分のすべてを犠牲にする決断。しかし、この大胆すぎる采配こそが、「オリン」全体を救うことになるのである。

ヘルメスとヘラは、その神速を以てただちに「オリュンポリス」に帰還を果たす。それは、「グラン・ロロ」と切り離された直後ともいっていい、考え得る限り、最速の帰還であった。ヘルメスは、この移動に力のすべてを注ぎ込んでいた。
そして、へラも、何の躊躇もなく残った力のすべてを、ゼウスに与えたのだった。
かくして2人の創界神グランウォーカーによる献身は結実する。ゼウスは完全なる復活を遂げたのだ。

そこにさらなる朗報が重なる。
アレックスが、「逆転大陸」の『創界神グランウォーカーアンターク』と共に合流したのだ。
創界神グランウォーカーアンターク
「久しぶりですねロロ。アルティメットとの戦い方を忘れたのなら、思い出させてあげましょうか?フフ、冗談です。“正”があってこその“逆”ですから」
力を使い果たしたヘラとヘルメスに、この場にいるすべての創界神グランウォーカーたちから、少しずつ力が分け与えられる。
創界神グランウォーカーヘラ
「みなはん、おおきにぃ。これならウチの化神、鬼神女王ジェラシックドールも、気兼ねなく遊ばせてあげられますわぁ」
かくして、準備は整った。
もはやお互いに不意打ちをかける余地はない。
「オリン」と「エジット」による、神々の最終決戦の火ぶたが切られようとしていた。
ヘラ