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契約編:真の世界観
第4章
オリンと原初神群との最終決戦は、遂に最終局面を迎えようとしていた。窮地のヘラを救いに来たダンとトア。しかし、2人の契約者と創界神がいてもウラノスの猛攻は止まらない。劣勢を強いられるダン、そこへ追い打ちをかける様にウラノスは極大攻撃を放つ。
- 創界神ウラノス
- 「これで終わりだ……」
ウラノスの放ったエネルギーの奔流がダンたちを飲み込もうとしたその瞬間、稲妻の如き速さで、何者かがダンたちの前に割って入る。
- ???
- 「無事かな? お二人さん」
そこにいたのは、全身に鎧をまとった仮面の男であった。ウラノスの極大攻撃をしのぎ切った仮面の男は、そう言ってのける。
突然の乱入者に驚きを隠せないダンたち。仮面の男はハデスからの伝言をダンに託すと、ウラノスに向かっていく。この戦いの鍵は3人の契約者が揃う事だという。ウラノスと対等に渡り合う仮面の男。ダンたちは、その圧倒的な戦いを見ていることしかできなかった。
――一方その頃、オリンの辺境で2つの大きな動きがあった。1つはエジットの参戦である。ラーの失脚後、オリンの属国として存在していたエジットは、ホルスが王位を継ぎ、ラー・ホルアクティとしてエジットを治めていた。いままで静観の構えを崩さなかったラー・ホルアクティだが、これを好機と見て取り、ついにその重い腰を上げたのである。
- 創界神ラー・ホルアクティ
- 「ここでオリンに貸しを作っておくのが上策か……ガイアは我がエジットが全力で仕留めよう」
ラー・ホルアクティの締皇スピリット「太陽神スカラ・ファルコン」がガイアに戦いを挑み、これを圧倒した。
これにより、オリンと原初神群とのパワーバランスが大きく変わる。オリンの属国になったとはいえ、それほど迄に神世界の4大勢力の一角を担う軍勢の持つ意味は大きいのである。
そしてもう1つは、すでに参戦していたケルティカ連合に、新たな創界神が到着したことである。
- 創界神ヌアザ
- 「我はケルティカの創界神が1人、銀腕のヌアザ! オリンの総大将ハデス殿の要請に応じ、助っ人にはせ参じた! カイ殿は何処か? 前線にてダン殿が苦戦との報、ここは我らに任されよ!」
- 契約者カイ
- 「ダンのピンチか……ならば、私が行かねばなるまいな」
「大幻羅魔獣テュポーデウス」と戦うウルリカ軍の元へ現れた「創界神ヌアザ」の一軍。ヌアザの締皇スピリット「銀腕神帝アガートラム」の右腕が蒼銀の輝きを放ち、テュポーデウスを圧倒する。ハデスはウラノスを打倒するには3人の契約者の力が必要であると考えている。ヌアザはカイを前線に送り届けるために必要な最後のピースだった。
エジットとケルティカの参戦により、開戦当初から劣勢だった戦力差は完全に逆転した。ハデスが思い描いていた構図の完成であった。
――前線では仮面の男とウラノスの戦いが激化の一途を辿っていた。仮面の男の鎧の機能の大半は失われ、ウラノスも立っているのが精一杯の様子だ。追い詰められたウラノスはなりふり構わず、「頂天神帝カイルス・グリフォン」を再び召喚し、自らに取り込んだ。
- 創界神ウラノス
- 「カイルス・グリフォンを喰った……もう後には戻れぬぞ……」
カイルス・グリフォンを取り込んだウラノスは、「ハイエボリューショナー・ウラノス」となり、その羽ばたきで世界1つを消滅させた。攻撃を一身に受ける仮面の男。その衝撃で仮面が割れ、素顔が晒される。仮面の男の正体はオリンの最高神ゼウスであった。限界を迎えたゼウスはついに膝をついた。そんな中、カイとフラカンが到着する。
遂に3人の契約者が揃った。これを好機と見たハデスもこの場に姿を現す。
- 創界神ハデス
- 「ここが分水嶺か……今こそ契約を履行しよう」
- 契約者ダン
- 「今が約束の時なんだな。契約の力、俺に見せてくれ、ハデス!」
ハデスとダンが並び立つ。ダンの髪色が黄金色に変わり、服装が白いグランバトルフォームへと変化する。それに呼応するかのように、カイとトアもグランバトルフォームへと変身を遂げ、3人の契約者の力を受けた締皇スピリットたちが黄金の輝きを放つ。
- 契約者トア
- 「ブリギット、あたしたちも行くよっ!」
ハイエボリューショナー・ウラノスが羽ばたく。世界を壊す程の衝撃がダンたちを襲う。しかし、ダンたちはその攻撃をしのぎ切った。驚愕するウラノス。締皇スピリットたちが攻撃に転じる。
- 創界神ハデス
- 「カイ、フラカン、トア、ブリギット、そして、ダンよ、契約の力、今ここで見せてみろ」
締皇スピリットたちの絶え間ない猛攻を受けるウラノス。その一撃一撃が神世界を揺るがす。契約の力が最高潮に達する。辺りが光に包まれ――そして静寂が訪れた。
ウラノスとの最終決戦から数日後。ヘルメスにより全神世界へ、原初神群との戦いに勝利したことが伝えられた。
- 創界神アポローン
- 「ついにやったのだな、ダン。だが、本当の目的はまだ果たされていない。これからだぞ、本当の冒険は」
―――契約編:真 終了――― To Be Continued