契約編:真の世界観
契約編:真 第1章
- 契約の巫女トア
- 「ダン、気を付けて。あたしはもう少しレクリスで調停機関のこと調べてみるから、そっちは任せたよ。カイの奴は見当たらないけど、どっかで応援してるはずだからさ。頑張って来てね!」
ダンは「契約調停機関」の謎を追うべく、7体の契約スピリットたちと、
旧知の間柄である「
デルポ=ナイラックに滞在することになったダン一行。しかし、そこへ異形のスピリットの大群が押し寄せてくる。そのスピリットは「オリン原初神群」と呼ばれる存在で、かつてオリンの主神であった「
原初神群に立ち向かうアポローンだったが、物量で勝る原初神群の前に次第に劣勢になっていく。その戦いの中、アポローンはダンと契約を交わし、最後の力を振り絞ってダンを世界の外に逃がした。
意識を失い世界の外側を漂流するダン。次に目覚めたのは、見慣れない宮殿の一室。7体いた相棒はランポとシャックを残し散り散りになっていた。
- 相棒狼ランポ
- 「あ、ダン~、やっとおきた~。心配してたんだよ~」
- 相棒鮫シャック
- 「目が覚めたかダンッ! どうやら、俺様たちは親切な誰かに助けられたらしい」
そこへ、一人の男が姿を表す。
創界神 ハデス- 「お目覚めの様だね、ダン。僕はハデス、ゼウスの兄と言えば、大体の察しは付くかな?」
ダンを助けたのは、オリンの
ハデスの庇護の下、ダンは順調に回復していく。一方、ハデスはオリンの最高意思決定機関である「オリン十二神評議会」を掌握、実質的にオリンの盟主となる。
ダンの傷も癒え、本来の目的を果たすために旅に出ると告げた夜、ハデスはダンに契約を求めた。
創界神 ハデス- 「そう警戒しないでくれたまえ、ダン君。この状況を打開するには、力を合わせるのが最良だと判断したまでだ。僕と――契約してみないか?」
原初神群が現れた今、世界を渡り歩くのは危険が伴う。オリンとしてもダンとアポローンが見せた契約の力は、未知の敵である原初神群に対抗する切り札と成り得る。原初神群を排除しなければオリンの外に出るのも難しく、ダンの目的とハデスの思惑は一致しているように見えた。
- 放浪者ダン
- 「……わかった。ハデス、お前と契約しよう」
創界神 ハデス- 「賢明な判断だ。君という存在は実に興味深い。お互い、対等な関係で行こうじゃないか」
ダンとハデスの契約は締結された。これがオリンにとってどのような結果をもたらすのか。今はまだ、分からない。
そして、ハデスのオリン盟主就任の会見において、ダンとの契約は、オリン十二神の見守る中、全神世界に向けて公表された。
創界神 ハデス- 「今ここに、放浪者ダンとの契約を発表する! この契約はオリンの新たなる光となり、原初神群に対する、切り札となるであろう!」
ハデスのオリンの盟主就任と、ダンとの契約は、原初神群の不安に苛まれるオリンの民衆たちを熱狂させた。しかし、アポローンを除いた十二神たちは必ずしも同じ思いを共有しているとは言い難い状況であった。
創界神 ヘルメス- 「オレはまだハデスもダンも認めていないがな……」
創界神 アルテミス- 「アポローンが信じたんだもの、私は信じるわ」
創界神 アテナ- 「契約の力は原初神群との戦いにとって必要な力ですから」
創界神 アレス- 「ふむ、確かに契約の力があれば戦いに幅が出るな 」
創界神 ディオニュソス- 「ハデスには借りができた……我はハデスを支持する」
創界神 アプロディーテ- 「へぇ、ダン君かぁ、面白いことになりそう♪」
創界神 ヘファイストス- 「ダンか、まだ子供じゃないか」
創界神 ヘラ- 「勝手していられるんも今の内だけやで、ハデス」
創界神 ポセイドン- 「黙っておれ、ヘラ。すでに決まったことだ」
創界神 デメテール- 「……………………」
様々な思惑が交差する中、ハデスの会見は終わった。そして、神世界は動き出す。
創界神 キニチ・アハウ- 「おれはキニチ・アハウ! こう見えても
創界神 だ。お前を助けに来た!」
創界神 ウラノス- 「オリンよ、我々は帰ってきたッ! 我ら原初の
創界神 が築き上げた世界を今こそ還してもらおう」
今、放浪者ダンの新たな物語が始まる。