バトスピの世界観

契約編:界の世界観

第3章 エピソード3:プチシャック

シャックからの手紙を受け取ったトアたちは、神海帝国ムウ7大都市のひとつ「神海都市モアーナラ」を訪れていた。モアーナラは、巨大な海溝につくられた工業都市で神海帝国の心臓とも呼ばれている。トア一行は地上から迎えの潜水艦に乗り、海中の入り口へ向かっていた。

契約の巫女トア
「ねぇ、グロウ。こんな潜水艦も用意してくれるなんて、シャックってどんな子なの?」
プチグロウ
「アイツは、自分が一番って思ってるヤツで、声はデケーし、人の話は聞かねーし、大飯喰らいで、すぐ噛みついてきやがる」
プチランポ
「いつも、はっはっはーって笑ってて~、グイグイ、ガブガブしてくる~」
契約の巫女トア
「ヘ、へぇ~、狂暴な子なのかなぁ……」
???
「そんなことありませんっ! シャックさまは、とても凛々しくていらっしゃって、聡明で、あの真っ直ぐな瞳に、キリリとした眉……あぁ……素敵ですわ~」
契約の巫女トア
「え~と、あなたは?」
神海姫メローリナ
「申し遅れました。わたくし、このモアーナラの首長の娘、メローリナと申します。本日は、トアさまご一行をご案内するようにと、申しつかっております」
契約の巫女トア
「わぁ、綺麗な人魚さんだ。……でも、大分、シャックの人となりが食い違っているなぁ、ちょっとグロウ、どうなってんの?」
プチグロウ
「美化しすぎなんだよ。ま、会ってみりゃ分かんだろ。おい、メローリナっていったか? シャックのヤツはどこにいるんだ?」
神海姫メローリナ
「む~、シャックさまの良さがわからないなんて……」
???
「はっはっはーッ! 言わせておけばよいッ! 俺様の価値は分かる者にしか分からん!」
神海姫メローリナ
「シャックさま♥」
プチグロウ
「出やがったな、シャック! や~っぱお前も縮んでたな」
プチランポ
「わ~、シャック~、げんき~?」
プチシャック
「お互い様だが、どんな姿だろうと俺様は俺様だ。お前たちもそうだろう?」
プチグロウ
「へっ、まぁな」
プチランポ
「うん~」
契約の巫女トア
「なぁんだ、結構仲いいじゃない」
神海姫メローリナ
「シャックさまは大きいんです。どんなお姿でも♥」

神海都市モアーナラの港で、メローリナとプチシャックに迎えられたトア一行は、そのまま、モアーナラの市庁舎に移る。そこでシャックから、トアたちを招集した手紙の内容の説明を受ける。

プチシャック
「ダンのことはコチラで調べて分かっている、皆まで言うな。話は別にある。このモアーナラの近海にレジェンドスピリットが眠っている。そいつを目覚めさせたいのだが、俺様ひとりでは無理でな」
契約の巫女トア
「レジェンドスピリットは、いつも、みんなが必死になってお願いしたら目覚めてくれたよね」
鷲相棒ガット
「ジークフリードは、呼びかけたらスグにウェイクアップしてくれたヨ☆」
花相棒フラウ
「カイザーアトラス皇帝は~、ワタシが森を守りたいって願ったら応えてくれた~」
零相棒ウィズ
「トールは、僕が苦戦していたら力を貸してくれたな」
冥相棒カミュ
「……パンデミウムは、ウチを利用しようと思ってたみたいだけど、逆に分からせた」
幻相棒パルム
「おいらのy……ミカファール様は、おいらの心からの叫びに感銘してくれたんだと思う」
造相棒レーヴ
「キャッスル・ゴレム トハ 普通 ニ 契約シタ」
プチグロウ
「ディラノスは、カイが術で目覚めさせてたな」
プチランポ
「大公は~、ボクが落っこちてきたときに~、サンダーエッジが刺さって起きちゃった~」
プチシャック
「で、俺様が見つけたレジェンドスピリットは英雄巨人タイタス。そいつは競技大会の7冠王らしくてな。俺様に言いやがった。7体の王たるスピリットと戦いたいってな」
契約の巫女トア
「なるほど……レジェンドスピリットなら王として申し分ないってワケだ!」
プチシャック
「はっはっはーッ! そういうことだ。物分かりがいいな、トア!」
「恥を忍んで皆にお願いする! 俺様に力を貸してくれ!」
鷲相棒ガット
「任せてくれヨ☆」
花相棒フラウ
「ワタシもい~よ~」
零相棒ウィズ
「是非もない」
冥相棒カミュ
「……いいだろう」
幻相棒パルム
「おいらでいいなら」
造相棒レーヴ
「肯定 デス」
プチグロウ
「ったく、しゃーねーなー」
プチランポ
「ぼくも力貸したいけど、大公、取られちゃったままだ~……」
プチシャック
「みんなすまない! 恩に着るぞ!」

プチシャックの願いを聞き入れたトアと契約スピリットたちは、タイタスが眠るという大海溝へ向かう。そこには、巨大な水中ドームが出来上がっていた。

契約の巫女トア
「なにあれ!? なんかでっかいドームがある!」
プチシャック
「せっかくなのでな! スタジアムを作っておいたのだ! 観客も実況も手配済だ!」
「さあっ! タイタス! お望みの7体の王たるスピリットを集めてきたぞ! 目覚めて思う存分競い合うがいいッ!」

プチシャックの言葉に反応するように空気が震え、タイタスを覆っていた岩石が剥がれ落ちる。そして、地の底から響くような雄たけびをあげ、タイタスが目覚めた。

伝説のスピリットの復活にスタジアムの観客も実況も一気にクライマックスへと到達する!

実況
「前人未踏にして空前絶後! これが全出場種目を制覇した伝説の7冠王! 遂に始まる! これが、タイタスの復帰戦だああああああああああああああああああああああっ!!!」

永い眠りから復活したタイタスの前に、次々とレジェンドスピリットが姿を現わす。時には力を比べ、時には速さを比べ、そして、時には拳を交え、古の競技大会が再現されていく。

――激闘の末、7体すべてを制したタイタスは右の拳を高々と上げ、スタジアムの歓声をかき消すほどの雄たけびをあげる。

プチシャック
「はっはっはーッ! これで満足しただろう! 英雄巨人タイタスよ! 我が元に来るがよいっ!」

その時、差し伸べたシャックのヒレをかすめるように1発の銃弾がスタジアムを穿った。

???
「随分面白いことをしているじゃないか。私に声をかけてくれないとは、つれないねぇシャック君」
プチシャック
「貴様、カイか!」
契約の巫女トア
「やっぱり出たわね、カイ! それと……ヴリック!」
相棒無頼ヴリック
「お久しぶり……って程でもありゃあしませんね。今日はカイの旦那の護衛でして。ひとつ、旦那の道楽に付き合っちゃあくれませんか」
プチシャック
「はっはーッ! ヴリックか、俺様とは久しぶりじゃないか? あの時の決着、今ここで付けようではないか!」
相棒無頼ヴリック
「そんな因縁もありやしたね。しかし、そのなりで、ですかい?」
プチシャック
「俺様に手抜かりは無い。シリオッ! アレを持てぃ!」
研究助手シリオ
「は、はいぃ、只今っ! ……ポチっとな」

スタジアムの中央が開き、下から王冠が飾られた様な錨が出現する。

プチシャック
「俺様の半分よ、俺様と共に戦え! アビサルアンカー、エンゲージ! これで文句なかろう!」
相棒無頼ヴリック
「なら、あっしも、相応の力を持って応えなけりゃあいけませんなぁ……裏契約煌臨」

大きな水しぶきを上げて、プチシャックは神海賊皇トライ・シャックへと姿を変える。そして、裏契約煌臨をしたヴリックは銃神無頼マーヴリック・メナスとなった。

実況
「おおーっとぉ! 突如として出現した2体のスピリット! これは場外乱闘か、予定外のエキシビションマッチ!? 何にしても熱い戦いが繰り広げられることは間違いないと見たあっ! 観客の皆さん、どうか熱いご声援をっ!!!!!」

スタジアムを縦横に駆け巡るトライ・シャックとマーヴリック・メナス。突然始まった戦いに観客の声援も最高潮に達する。

それをタイタスが黙って見ていられるわけがなかった。最強はオレだと誇示するかのように大きな雄たけびをあげ、2体の戦いに割って入る。トライ・シャックVSマーヴリック・メナスVSタイタス。スタジアムはバトルロイヤルの様相を見せはじめるが――

神海賊皇トライ・シャック
「な、なんだ!? タイタス、お前も戦いたいというのか?」
銃神無頼マーヴリック・メナス
「やれやれ、サシじゃなくなっちまいやしたね。興がそがれましたぜ」

両手の銃でトライ・シャックとタイタスを牽制しつつ、後退を始めるマーヴリック・メナス。

契約者カイ
「タイタスはメンドくさそうだな……あれは君に譲るよ、巫女殿」
契約の巫女トア
「あ、待ちなさいっ、カイッ! キングタウロス返しなさいよ~!」

大混乱のスタジアムではあったが、事態は一気に収束へと向かっていく。

神海賊皇トライ・シャック
「はっ! ヴリックとの決着はまたお預けか! しかし、この昂ぶり、どこにぶつけようか、なぁ、タイタス! 俺様を倒して8冠といくか!?」

トライ・シャックの煽りにスグ様反応するタイタス。そして、交差するトライ・シャックとタイタスの拳。結果はダブルノックアウト。8冠の夢は破れるがタイタスは満足し、シャックへ力を貸すことを誓ったのだった。

一夜明け、メローリナに見送られ、モアーナラを後にするトア一行。プチシャックを仲間に加え、旅は続いていく。

まずは、奪われたままのキングタウロス大公を取り戻すため、カイの足取りを追うことにしたトアたちは、神海帝国ムウの情報網を使い、カイの所在を突き止めることに成功する。目指すは「第7の古の神殿」。そこで、トアたちは最強のレジェンドスピリット「聖皇ジークフリーデン」の力を目の当たりにすることになるのだった。

プチシャック